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お前の物差しでモノを言うな②

ヤツは、自分の母親に叱られた事がないのが自慢だった。

父親は、アルコール中毒で仕事も出来ないような人だったと聞いている。


その父親が王様だったヤツの家は、母親が家政婦のように働いていた。


ヤツは、父親が嫌いで、父親との接触を避けていた。
母親は、いつも父親の側から離れられない状況。
あれ、それ、と命令したことを、家政婦の母親がすぐにやらないと、父親は暴れ狂っていたと聞いている。

だから、家政婦の母親は、違う場面からではあるけど、ヤツを守るため、父親の機嫌だけを悪くしないようにしていた。

だから、叱られたりしなかったのでなく、母親が母親としての役目を果たせなかったんだと思う。

私が知るヤツの実家は、ゴミ屋敷寸前だった。
部屋の中は、荷物と埃が溢れた。



掃除や洗濯をする時間を割いてでも、息子のヤツに被害が飛び火しないように、父親の側から離れずにいたんだと思う。

家政婦である、母親としの選択したやり方だったと思う。

ヤツと母親が会話をしたり、笑ったりしていると王様の機嫌が悪くなっていたらしい。

ヤツも、また違う切り口で、父親から母親との関係を支配下におかれていた。

そして、そんな両親の関係性やコミュケーションに反映され

私や娘を支配下におき、私をロボットに化してしまった。


お前の物差しでモノを言うなって、私に言うくせに

私には、ヤツの物差しで計られ、駄目な人間のレッテルを貼られていた。


今も、当時の私を振り返ると

表情もなく、ただオロオロとヤツの機嫌に振り回されているロボットの私の姿がある。





そんな両親の姿を見て育って娘。

健全な心を取り戻して欲しいと願う。






でもね、最近、よく娘が笑うようになった。
つられて、私も笑う。

そんな時間が幸せだと、心から思う。

by nico_noan_asapi | 2017-06-11 23:05